日記

日々の記録

2/1(水)〜2/19(日)

2/1(水)〜2/3(金)

 仕事

 

2/4(土)

 休み。アマゾンで抽選に申し込んでいたPS5が当選し、午前中ようやく届いた。早速ゴーストオブツシマとデスストランディングを購入。

 夕方から最初の勤務地で一緒に働いていた同僚たちと飲み会。と言ってもいざ行ってみると半分以上が全く知らない人で、「この人はどのくらいの役職で、どんな雰囲気なのか」的情報を世間話の中から手探りで収集するところからスタート。

 色恋沙汰、人事異動、仕事の愚痴。こういう「THE職場の飲み会」みたいな話題も良いもんだと思える年齢になってきた。こうやって日々の労働をエンタメに変換して他者と共有することで、人はなんとか精神の均衡を保てる。職場の飲み会は、一種のセラピーなんだ。

 

2/5(日)

 休み。アマプラで「エルピス —希望、あるいは災い—」を一気見した。物語はある冤罪事件の真相を明らかにしていく、という軸を中心にして進んでいくんだけど、毎話ボルテージを増していく。

 最終話で浅川さんから迸る言葉は、エルピスの骨子であり、文字通り希望と災い。

正義を振りかざすとき、それは本当の正義たり得ているのかと常に内省しなければ、正義はいとも簡単に暴力や悪に変容していく。そして暴力や悪は、いつだって正義面している。

 

「なんで。なんでなのよ。自分の仕事を、ちゃんとやりたいだけじゃん。何の罪もない人がこれ以上犠牲になるのを見ていたくないだけじゃん。1人の人間としてまともに生きたいだけじゃん。何にも無茶なこと望んでない。当たり前の人間の普通の願いが、どうしてこんなにも奪われ続けなければいけないのよ。こんなにも心の中の一番大事なものを押しつぶされながら、どうやって生きていけばいいんだよ。どうやって希望を持てばいいんだよ。」

 

 あと仕事をしていく上でのサバイバルブックに載せてほしい、身も蓋もない浅川さんの言葉。めちゃくちゃ笑ったけれど、いつかそういう歳になったときの自分がそういう人間になってたら怖いなあ、と今から自戒しておく。

 

「おじさん達のメンツとプライドは地雷なの!死んでも踏まないように歩かないといけないんだよ!

 

2/6(月)

 仕事終わりに父親と共に叔父の家に行く。叔母がくも膜下で倒れて以降、中々会えずにいたけれど少しでも話をする相手にもなれればと思っていた。

 叔母の容体が想定以上に良くないもので、今後どの程度回復するかも見通しがつかないという話を聞き、自分はただ聞くことだけしかできず、こういったとき人は人をどう励ましたらいいんだろうか、そもそも「励ます」なんてことは可能なんだろうかと自分の無力さを実感した。ただ聞いて、ただ一緒に居て。そんなとき思いつく言葉は、ありきたりで、口から出せば全てが嘘になってしまうような気がして。それでも同じ空間で過ごすことに何らかの意味があってほしい。いつかその意味を言葉にして伝えることができるようになりたい。

 

2/7(火)

 仕事。アマプラでドラマ「前科者」を観て、有村架純の演技に唸る。「犯罪者」というレッテルを剥がして「その人自身」を見つめようとする営みに心打たれた。

 

2/8(水)

 休み。ゴーストオブツシマを一日中やってた。三国無双よろしく殺戮に全精力を注いでいたため、本来嗜むべき物語や風景の美しさが心に全く残っていない。主人公がただ殺戮を繰り返すマシーンになってしまっている。

 

2/8(水)〜2/10(金)

 仕事。マスクをした状態がデフォルトになってるせいで、普段接している同僚の素顔を見ると、「え!」と新鮮な気持ちになる瞬間がある。顔全体の知覚の仕方が変わってきているんだな。

 

2/11(土)

 仕事終わりに、劇場でチャゼル監督の「バビロン」。観るドラッグ、みたいな映画だった。ラストのシークエンスは完全に映像の暴力で、泣いてたまるかと思いながら泣いていた。好きでもないし、嫌いにもなれない。チャゼルは夢追い人の破滅を描きたがるけれど、夢を追うことを否定もしていないような気がしている。

 

2/12(日)〜2/19(日)

 箇条書きで記録。

 

・転職先の内定を受諾して、上司に退職の意向を伝えた。不安あれど後悔なし。

 

・U-NEXTで映画「こちらあみ子」を観た。あみ子だけが見える景色、聞こえる音、発することができる言葉。それはこの世界で「正しくないこと」として疎外される。あみ子がトランシーバーを経由して発する「応答せよ、こちらあみ子」に誰も応答しないディストピアなんてまっぴらごめんだ。

 

・映画「前科者」で泣きながらラーメンを啜る有村架純をみて、カルテットの「泣きながらご飯を食べたことがある人は生きていけます」というセリフを思い出す。

 

・アマプラで映画「夜を走る」を観た。息詰まる日常は誰かにとっての幸福かもしれないし、そもそも幸福なんてものは幻想なのかもしれない。ありえたかもしれない人生。今の人生。停滞した今に風穴を開けるためには、狂うことは一つの方策ではあるけれど、そんな安直な答えは提示されていないように感じた。

 

・書店に行き、ハンガン「すべての、白いものたちの」、フロム「愛するということ」を購入。岸本佐知子の文庫等も買い直す。

 

・U-NEXTで「THE LAST OF US」を最新話まで観た。ブレイキングバッドを観ていたときと似た高揚感だ。特に3話と5話。今年観たコンテンツの中で、今のところぶっち切りの作品だ。3話は「ゾンビドラマのたった1話」でこれまで誠実な愛を描けるのかと感嘆してしまった。

 5話。ラストオブアスの根幹を描いている話だと思った。自己愛と他者愛が円環する物語。自己愛や他者愛は自分や他者を殺したり生かしたりする。その線引きはいつだって不明瞭だ。その不明瞭な線の上でもがきながら、自分と他者への愛が「誰かを生かす」ことに繋がる瞬間が一瞬でもあれば、こんな酷い世界でも這いつくばって生きていける。

 

益田ミリの本を沢山買った。諦観と楽観のバランス感覚が素晴らしい作家さんだと思う。「あたしの一生懸命は、あたしという人間の役に立ったのかな」なんて言葉がさらりと出てくるあたりが怖い。怖さゆえ、信頼して読むことができる。

 

・家族で焼肉を食べに行った。父は昔から「美味いか?」と毎回聞く癖があって、それに対して自分はずっと「美味しさを強要すんなよ」という幼稚で反抗期的な感情が捨て切れずに「まあ普通かな」とスカした返事しかしてこなかった。だけど最近は「確かに美味いね」と返すようになった。

 

今日マチ子の「2023年2月19日、それでも私はがんばってみようと思う」というツイートを見て泣きそうになる。