日記をつける

日々の記録

6/6(木)

 仕事。朝ごはんバナナ。10時半出勤だと地下鉄が空いていて嬉しいなと書きかけて、やめる。たまに「ほら空いてるでしょ」面をして喜ばせてくる。こういうナチュラルDV的な構造が、沢山日常に潜んでいる。まあでも座れたら嬉しいな。(いや、でもダメなんだよ、これで「嬉しい」は。)

 「これ一人でできるのでは?」みたいな仕事を二人でやった。こういう余白が仕事の醍醐味。Outlookのリマインダーを既読無視。Excelを#N/Aで埋め尽くせ。Wordは使わず、テキストファイルで。office365と毎日殴り合ってる。

 20時頃退勤。喫煙所に同僚がいた。昔ゴールデンアイ007やってましたね〜画面4分割の〜!64の〜!と盛り上がり、嬉しくなった。あの頃に戻れますかね、戻れますよいつでも、と話しながら帰る。

 帰り道、セブンイレブンでヤンニョムチキンスティックとラーメンサラダを買う。レジで小銭を詰まらせた外人のお客さん。若手の大学生バイトっぽい店員さんが「こりゃもうダメだー」みたいな雰囲気を醸し出し、バックヤードへ。満を持して店長登場。ガシャガシャと。でも的確に詰まった小銭を取り出していく。プロだった。コンビニのプロだった。

6/5(水)

 仕事。朝ごはんバナナ。少し雨っぽいな、と思っても最近は傘を持っていかない。

 午後、上司から退職届を受け取る。今後の手続きや退職をいつオープンにするか等話す。

 最後に何か話したいことはありますか、と問われ。「お世話になったみなさんにこんな途中で迷惑をかけるなんて申し訳ないです」とコピペみたいな文章が口から出てくる。けどほんとは『虎に翼』見てますか、とか。おすすめのコンビニスイーツありますか?とか。どうでもいいことを沢山話したいだけなんです。

 20時くらいまで残業。Gmailに次の会社から「退職いつか決まりましたか?笑」みたいな超絶フランクな返事が来てて思わず笑ってしまう。これでいい。

5/28(火)

 朝ごはんバナナ。仕事。outlookのメールが山のように溜まっていくけど、完全に放流してる。いつか立派に成長して戻ってきてほしい。

 休憩中、職場の方と苗字の話。「俺の苗字はよくある苗字トップ10に入るけど、あんたの苗字はトップ50くらいだね。」と言っていた。珍しい苗字に、いまだに憧れてる。苗字を変えるには、「やむを得ない事情」が法律上必要とされている、らしい。

 隣の同僚とたわいもない話をしながら、21時まで仕事。ひたすら社内システムのデータをエクセルに転記。現代の蟹工船。上司がシュークリームをくれて、嬉しかった。

 

「マウスだと思ってたらテープ糊でした。テープ糊動かしてました。」「テープ糊で机ベタベタになって、手が机にくっついて。「電話出れません〜」ってできそうですね」

「あの上司二人の席の間に、空気清浄機置きましょう」「やばい雰囲気になったら赤ランプ点灯して、ゴーゴーゴーゴーしますね、きっと」「なんのダストですか」

 

 KID FRESINO『Cats & Dogs feat. カネコアヤノ』を久しぶりに聞いたら、あまりにも素晴らしくて、ずっとリピートしながら家に帰った。

 

今日は絶対に頑張らない パジャマのままでいさせてよね 都市開発は進んでく 君のこと嫌いにならないように頑張ってる こちらは

 

youtu.be

 

 

5/11(土)

 仕事。朝ごはんバナナ。昨日は残業終わりに、先輩とラーメン。仕事の愚痴から急に「引越しでジモティ使い倒しましょう」ってただの日常の話になって嬉しかったな。話は脱線し始めてから、本当の話。

 今日は大勢の前で説明会。何度やっても人前で話すことに、慣れる気配がなくてびっくりする。話している途中で風邪でボロボロの声帯が限界を迎えて、息絶え絶えの小鳥みたいな声になった。

 隣の同僚はいつも笑顔で、しんどくても笑顔。今の職場は上司同士がバチバチで、残業の嵐、昼休憩いつの間にか雲散霧消。中々な終わり具合だけど、同僚の花のような笑顔はパッと照らしてくれる。「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」という朝ドラひよっこのセリフを体現していて、こちらも笑っちゃおうと思える。仕事は終わりが見えないので、適当なところで切り上げて退社。

 帰りになか卯でうどん。紀伊國屋にも立ち寄ってイラストの本を見た。『デジタルスケッチ入門』が面白そうだったけど、まずは好き勝手に描いてみようと思い、何も買わずに帰宅。

 帰宅後、『虎に翼』第1週をようやく見る。4話、親友の結婚式の余興で強制的に「若い女性だから」という記号的な消費のされ方で歌わされる虎子。

 

なぜだろう。親友の幸せは願えても、ここに自分の幸せがあるとは到底思えない。

というか、なんだ。したたかって?なんで女だけニコニコ。

こんな周りの顔うかがって生きなきゃいけないんだ?

何でこんなに面倒なんだ。何でみんなすんとしてるんだ。何でなんだ。

 

虎子の心の声が、まだこだましてる。六法全書という翼を手にした虎子の姿が眩かった。

5/8(水)

 朝3時頃起床。喉が痛く、全身に倦怠感あり。明らかに風邪である。3分くらい悩んで会社を休むことにした。

 電話で体調不良のため休む旨、報告。上司は「心配そうな感じ」を言葉に乗せることに、熟達している。声色のトーンや間、そして相槌。その上司から発せられる「大丈夫か〜」はきっとグシャグシャな紆余曲折と試行錯誤の末に身につけた優しさだ。

 こんな日に限って、メルカリで2冊本が売れたので「メルカリはセルフ労働だ」と思いながら本を梱包してセブンイレブンへ行く。『こんな日に限って』というカネコアヤノの曲を思い出すが、特に鈴の音は鳴らない。自転車のブレーキが壊れていて、ギシギシ鳴っているが半年放置してる。

 

私が揺れると鈴の音が鳴る

悲しみを消すための傷が絶えない

 

 コンビニでメルカリの商品を発送する時、他に買いたいものがあっても、1回目のレジで発送・2回目のレジで買い物というパターンを崩さない。1回のレジで情報量を増やしたくないんだな、きっと。

 昼・夜ご飯を買って帰り、ひたすら布団に籠る。アマプラで『マイ・エレメント』を見た。

 火属性と水属性の男女が互いの属性を越えて、なんだかんだあって恋愛成就!そんでもって親からの期待より「本当に自分がやりたかったこと」やってこー!みたいなザ・ディズニーって感じだった。アナ雪から続く「ありのままの自分曝け出せ」ムーブっていつまで続くんだろうか。

 あとこの映画は「ケア」の2つの側面を表現してるのかな〜と見終わって感じた。火属性のエンバーは火を使って、排水管を直したり、壊れた器を綺麗に溶接して作り直す。ようは物質的ケア。

 それに対してウェイド(水属性)は、感情にアプローチする。エンバーに見せたい花を見せ、涙を流し、「本当にやりたいことってなんなの?」と問いかける。心的ケア。寅さんっぽいな。

 それぞれのケアの仕方が人にはあるよね〜などと思った。それは日常でもしんどい時に、心に寄り添い言葉をかける人もいれば、上手い飯いこ!と外に連れ出してくれる人もいる。

 夜ご飯は鶏肉の何とか弁当。その後、林檎の絵を描いて、薬を飲んだ。あとはもう寝るだけ。乗代雄介『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』を読み進める。明日の仕事大丈夫かな。

5/7(火)

 仕事休み。朝9時頃に起きてバナナを食べる。そのまま朝イチで病院へ。担当の先生が変わっていたが、病院名は前の先生の苗字のままだ。いいのだろうか。いいのだろう。

 現在の仕事の状況や退職すること等を伝える。「趣味はありますか?」という質問に「本読んだり、映画見たりです」と答えるとアウトプットも必要ですね〜と言われ、その通りだと思う。インプットばかりの趣味だと、内面ばかりに溜まっていく感触がある。外部に出力する趣味が必要。帰宅後セブンイレブンで買った『玉子あんかけ丼』食べる。最近はこれとトマトジュースが定番。

 少し休んだあと、文化施設(?)の契約社員の面接に行く。面接官が3人もいてびっくりした。「答えにくい質問だと思うのですが・・・」と1年半という短いスパンで転職活動をしていることについて聞かれる。答えにくい質問なんてしなくていいのに。人を人がダイレクトにジャッジする場がとても苦手。早くそういう場所から降りたいと思ってる。

 帰り道にジュンク堂により、穂村弘の『はじめての短歌』を買おうとしたけど、積読が100冊を超えているので自制する。アイスコーヒーを飲み、千葉雅也『センスの哲学』を少しだけ読み進める。大抵の物語(映画・小説)は欠如を埋めるためのものだ的(0を1にする)なことが書かれていて、確かに大抵の物語はその構造だよなと思う。

 帰宅後、喉が痛む感じがしたのでコロナに感染した時に処方されたカロナールを飲む。飲まなかった薬の伏線回収だ。外出が億劫なので、出前館でピザを頼み、相席食堂を見ながら食べる。千葉雅也の本に触発され、ミモザの絵を描いたら楽しくてびっくりした。

3/21(木)

 仕事。不合格だった生徒に対して、みな自然と励ましの言葉をかけている姿を見て、凄いなと思う。自分の中には励まし定型句のような言葉しか見当たらなくて困る。自分の気持ちが、言葉を経由せず、相手の気持ちに伝わるシステムができてほしい。でも、言葉で伝えることを諦めたくないので、日々模索してる。

 昨日アニメ『葬送のフリーレン』エピソード27を見た。フリーレンが一番好きな魔法を問われた時「花畑を出す魔法」と答えるシークエンスで泣きそうになってしまった。

 チートゲーのようにあらゆる攻撃魔法を容赦無く使いまくるフリーレンが、他者を倒すためではなく、救うための魔法を選び取ること。

 その魔法はドラクエホイミのように直接的な回復魔法=ダイレクトな救いではなく、「花を咲かせたら、誰かの気持ちが和らいでくれるかもしれない」といった他者への眼差しが内包されたささやかなものであること。

 遠い昔に無自覚にヒンメルを救った魔法を、フリーレンは、長い旅路を経た今、自覚的に「一番好きな魔法」として選択している。「人間の寿命は短いってわかっていたのに。なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」と、亡くなったヒンメルに対して発したフリーレンの思いが結実した瞬間だった。素晴らしかった。